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<生物多様性>沖縄に生息するエビ・カニ類の「種多様性」

  • Posted by: 環境問題.com
  • 2009年3月19日 18:07
  • 環境問題

<生物多様性>沖縄に生息するエビ・カニ類の「種多様性」より

 地球環境問題のキーワードとして、「生物多様性」という言葉が注目されている。沖縄を中心に海の科学教育と研究をすすめるNPO「海の自然史研究所」の藤田喜久代表理事が2回にわたり、沖縄の「生物多様性」を報告する。

 生物多様性(Biodiversity)とは、地球上にすむすべての生物の間の変異性をいうものであり、概ね(1)生態系の多様性(2)種の多様性(3)遺伝子の多様性の3つのレベルで認識されている。

 近年、「生物多様性」という言葉が一般にも浸透しはじめ、その重要性や保全の必要性が少しずつ認識されるようになってきた。特に、2010年10月には、生物多様性条約第10回締約会議(COP10)が名古屋市で開催されることもあり、「生物多様性」は、おそらく、自然・環境分野において今後最も耳にする(目にする)言葉の一つになるだろう。

 一方、極めて包括的な概念である「生物多様性」を、より端的にわかりやすく表現する試みも続けられている。例えば、環境省では、「地球のいのち、つないでいこう」というコミュニケーションワードを制定し、普及を図る努力が行われているし、生物多様性に関するシンポジウムも近年数多く開催されている。

 沖縄は、サンゴ礁、マングローブ林、干潟、砂浜、森林、湖沼、河川、地下水域などを含む独特の島嶼(とうしょ)生態系を有する地域であり、そこにすむ生物の種多様性は極めて高い。今回は、沖縄で見られるエビ・カニ類をいくつか紹介し、沖縄の生物の「種の多様性」の一端を感じていただこうと考えている。エビ・カニ類は、沖縄で見られるあらゆる微環境(サンゴ礁、マングローブ林、干潟、砂浜、森林、湖沼、河川、地下水域)に進出している動物であり、それゆえ、沖縄に暮らす人々と深い関わりを持つ種も多い。

 いわゆるエビ・カニ類(甲殻綱軟甲亜綱十脚目の一群)は、世界には約1万1000種、国内では約2300種が知られる。そして、日々、新たな種(新種)が報告されている。これらの種は、主に体各部の形態的特徴や生時の色彩などにより分類される。色彩の美しい種や、奇妙な形(失礼!)を呈する種もいて、見る者を魅了する。

 しかし、その一方で、沖縄のエビ・カニ類の種多様性を解明しようとする研究者(分類学者)の数はとても少なく、まだ「名前」すら付いていない種が多数存在することも知っておいて欲しい。もっとも、エビ・カニ類に限らず、種多様性を理解するための研究は、極めて緩やかな速度でしか進んでいない。

 地球上には、多種多数の生物が存在するが、我々がその存在を知っている種は、ほんの一握りに過ぎないのかもしれない。「生物多様性を守る」ということは、我々がまだその存在を知らないもの、その価値を理解できないもの、を守ろうとする試みにほかならない。今後、私たちは「生物多様性」とどう向き合っていくのか、試されているような気がする。

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