- 2009年1月 6日 10:53
- 環境問題
頑張れ地域交通:信濃路・ゆらりゆられて/1(その2止) 市民生活の足 /長野より
◇すそ野拡大へ努力--角田朗一・上田電鉄社長に聞く
◇乗客増、地元と一体で取り組み
地方の公共交通は今後どうなるのか――。長年赤字に苦しみながらも、企業と地元住民らが一体となった取り組みで、乗客数が上向き始めた上田電鉄の角田朗一(かくたあきかず)社長(60)に、公共交通の展望や別所線での取り組みを聞いた。
◇将来的な視野必要
環境への配慮や高齢化などを受け、公共交通を見直す機運は高まっている。しかし利便性の高いマイカーの普及で、利用拡大は難しいのが現状だ。
このままでは中心市街地は廃れ、農地が店舗になる。それだけが発展か、よく考える必要がある。例えば、今は自動車を運転できる若い人も、子供の通学や老後はどうするのか。排ガスなど環境問題への意識がまだ低い人もいると思う。現在だけではなく、自分の生活や町全体を将来的な視野で考えてほしい。
地方のローカル線は、毛細血管と言える。大動脈だけを整備していては、いずれ手足が動かなくなる。公共交通は市民と共に、活気あるまちづくりの中核になる必要がある。
◇温泉との協力好評
05年10月の分社化以降、「まるまど列車」を復活させるなどのイベントが鉄道ファンに好評で3年連続で乗客数を伸ばした(08年4~9月期は前年同期比1・1%増の約66万人)。税金で支援を受けており、重みを強く感じている。利益を上げるために、できる限りのことをやっていきたい。幸い市民生活の足としても、少しずつ市職員や地元企業に利用してもらっている。別所温泉と協力販売している切符と入浴券のセットも好評だ。
国土交通省から交通関係環境保全優良事業等大臣表彰を受け、地方ローカル線の経営モデルとされているが、まだまだこれからだ。新イベントを企画したり、通勤・通学客のすそ野を広げる努力を続けていきたい。
◇皆で知恵出し合おう--村井仁知事
地域交通の問題は長野県だけの問題でない。バスは空気を運んでいる状態で、ごく一部の通勤客と学生、昼間はお年寄りだけだ。かつては観光バスや高速バスが収益源だったが、規制緩和の波で収益が消えてしまった。
公共交通は少し不便だけれど、再評価が必要。自分の便益を犠牲にしても、共通に利用するようなデマンドバスのような方式で補うのがカギ。皆で知恵を出し合い何とかしようとする姿勢が大事だ。
県レベルでも市町村関係者との情報交換に努める。地域公共交通の問題は医療問題と並ぶ二大地域課題だ。
私は電車大好き人間。ゴルフに出掛ける時も鉄道を使う。本も読めるし結構良い。全力を尽くしたい。