- 2009年2月24日 10:16
- 環境問題
ロシア極東の日露協力事業の象徴として18日、石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の液化天然ガス(LNG)工場が稼働した。しかし、環境破壊の可能性や地元の不満など課題も抱える。同事業の監視活動を続けてきた環境団体「サハリン環境ウオッチ」のドミトリー・リシツィン代表(41)に聞いた。【ユジノサハリンスクで大木俊治】
--どんな環境破壊が懸念されますか。
◆パイプラインの破裂やタンカーの事故による石油・ガスの流出が起きれば問題だ。世界でサハリンのような地震多発地域にパイプラインを敷設した例は珍しい。地中に埋設されたパイプラインで土壌が不安定になり、地滑りが起きやすくなっている場所もある。サケ・マスが産卵のためさかのぼる川底を横断するパイプラインもあり、石油などが流出すれば影響は深刻だ。
--開発そのものに反対なのですか。
◆開発事業は必要だし、支持する。ただ環境対策が不十分だ。建設開始前に我々が提案した対策は、ほとんど採用されなかった。
--ロシア政府が環境破壊を理由に事業認可撤回の脅しをかけたこともあります。
◆それまで沈黙していた政府は突然06年に環境問題を提起し、政府系企業ガスプロムが事業に参画すると、環境対策に大きな変化もないのに解決した。
--地元はどう受け止めていますか。
◆パイプライン敷設のため森林や農地が破壊され、魚卵の漁獲量も減少した。ガスは比較的クリーンなエネルギーだが、採掘されるガスは輸出用で、地元の電力は今後も環境を汚染する昔からの石炭発電で賄われる。今後、事業で収益が上がっても税収はほとんど中央に吸い上げられ、地元には落ちない。事業完成で建設雇用が急減する。地元住民の不満は今後募るだろう。
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