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はばたけ技と夢・北陸の企業:北陸から"Yes,We Can"(その1) /石川

  • Posted by: 環境問題.com
  • 2009年1月 5日 17:32
  • 環境問題

はばたけ技と夢・北陸の企業:北陸から"Yes,We Can"(その1) /石川より

 09年が明けた。先の見えない世界的な不況に不安は尽きないが、これを打開するヒントに、北陸生まれの世界に誇るモノたちを紹介したい。米大統領に今月就任するオバマさんは言った。「できっこないと疑う人に出会ったら答えよう。YES WE CAN(できる)!」。そう"彼ら"には、逆境を跳ね返す知恵やエネルギーがあふれているのだ。(3日から「はばたけ技と夢 北陸の企業」を掲載予定です)

◆鍛造ホイール--富山県高岡市「ワシマイヤー」
◇町工場職人の知恵と汗
◇夢を追いかけ

 耳をつんざくエンジン音を響かせ、マシンが空気を切り裂きサーキットを疾走する世界最高峰のモータースポーツ、F1。最高速度は時速300キロを超え、ヘアピンやS字カーブなどで減速、加速を繰り返す。繰り広げられるぎりぎりのせめぎ合いを支えるのは、富山生まれのおれたち、鍛造ホイールなのさ。

 鍛造は加熱した金属を機械でプレスする技術。溶かした金属を型に流し込む鋳造に比べ、8000倍もの力が加えられ、鍛え上げられる。そう、日本刀と鍋の違いだね。

 鋳造より強い上に2割も軽いってんで、レーシングカーに高級車にと、世界中で引っ張りだこ。F1の2008年シーズンでは、参戦11チーム中5チームがおれたちを選んだ。ホイール冥利に尽きるね。中には、1本の価格が軽乗用車が買えるほどのものもあるが、がっかりさせたことはないつもりだ。

 おれたちの生みの親は、富山県高岡市に本部を置くメーカー「ワシマイヤー」。元は工業用糸巻き機を作っていた町工場さ。腕利きの職人ぞろいだが、約30年前、物は良くても売れ行きは厳しい、という時代に直面した。おやっさんたちは、培った技術を新たな分野に生かそうと考えた。

 以前のホイールは鋳造だった。それを知ったおやっさんたちは思った。「強くて軽い性能が必要なら鍛造技術が生かせる」ってね。だけど、そんなノウハウはありゃしない。雨の日も雪の日も、バラックの工場でテスト、テストを繰り返してたよ。そうして生まれたのがおれたちさ。

 知る人ぞ知るメーカーとなった今も、従業員は250人余り、社屋は鉄工所から買い取った創業当時のまま。意外かい? だけど、勝負しているのは建物の立派さじゃない。性能はどこにも負けないってプライドを、みんな持っている。そんな職人たちは、世界最高峰の舞台で闘うおれたちよりイケてないか。

 車を巡る状況は厳しいようだ。若者の車離れ、世界的な景気悪化に環境問題。だけど、ハイブリッド車や電気自動車も軽量化は不可欠。おれたちはまだまだいろんな可能性を秘めているんだ。

 おれには夢がある。富山の町工場から生まれたおれたちや、その子孫たちがもっともっと世界に広がっていく夢が。そう、おれたちにはできるさ。【茶谷亮】

◆透明防護盾--富山県高岡市「ナンワ」
◇NYでお披露目も
「前がよく見える盾があればいいのに」

 自分は、ある警官が漏らしたこの一言から生まれたのであります。所属は、社員4人の「ナンワ」(富山県高岡市)であります。

 体はポリカーボネートという透明な樹脂であります。表面が縦横に緩くカーブしているのは衝撃を吸収しやすくするためで、卵の曲線を参考にしたとのこと。金属製より体重が軽いのも大きな利点であると思われます。

 自分が図らずも注目されたのは、02年のサッカー・ワールド杯日韓大会であります。試合に熱中し過ぎて暴れる人を取り押さえるため、全国の警察から「召集」がかかりました。03年には米国の雑誌「TIME」の取材を受け、05年には、何とニューヨーク近代美術館で姿を披露してほしいと依頼されました。光栄であります。

 世間では、銃を持った立てこもりなど、凶悪事件が相次ぎ、そのためか、拳銃だけでなく自動小銃にも耐えられる、より強く、たくましい弟分が登場、活躍しております。富山のモノづくりの技術が結集した自分が安心・安全に貢献できることは「うれしい」の一語であります。ただ、自分たちが目立つ=物騒な時代、でもあり、少々複雑でもあります。【蒔田備憲】

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